門真市に在住の方より、自家用車の駐車スペースとして利用をしている敷地に雨水が溜まる件についての相談を受けました。
その敷地の状態は、隣地よりも敷地の高さが低いために雨水が溜まりやすくなっています。
そこで、雨水が溜まらないように敷地の高さを嵩上げすると共に、損傷している道路面の側溝を撤去して新たに新設をすることとなりました。
あいにく工事着工前の全景写真を撮影していなかったので、部分的な写真を掲載いたします。

2020118(1)
工事着工前の敷地中央付近

20201118(2)
敷地南側のコンクリートブロック積みの見え掛かり高さが現状で3段強あります。
雨水が溜まらないように隣地と高さを合わせるためには、この南側ブロックの一枚以上となる約30㎝程の敷地の嵩上げが必要となります。工事が完了すれば、このブロック積みは、2枚の見え掛かりとなります。

20201118(3)
これは、敷地西側の現況写真です。

20201118(4)
敷地東側の隣地との段差の現況です。
この写真では、わかりづらいですが隣地のコンクリート補床面からでも約20cmの段差があります。

隣地との段差を解消するために20cm以上の嵩上げをするのですが、これは、土木の用語で「盛土(もりど)」となります。「盛土」は、後から持ち込んだ土を敷くかたちになるので入念な締め固めが必要となります。
もちろん締固めは、確実に行うつもりですが、今回は、「土」を用いずに再生砕石を使用することを選択しました。再生砕石ならば「土」以上に強靭に締め固められます。これを書いている私は、土木工事の現場監督の経験もあるのですが、当時に下水工事に於いて、埋め戻しを行う際に設計書にて「土」(いわゆる流用土)で埋めるようになっていても再生砕石を使用することがありました。再生砕石は、見た目がイマイチですが、埋めたり盛ったりする際に於いては、土に比較して遥かに強靭であると私は、実感しています。再生砕石は、材料としての費用も高くないのでお客様に御負担を掛けることもありません。
再生砕石とは、おもに解体をしたコンクリート構造物などを破砕したものを砕石として再利用するものです。ひと昔前の再生砕石は、住宅瓦やアスファルトなどの破砕物も混入していましたが、最近は、そのような再生砕石は、あまり見かけなくなりました。
20201118(2-1)
上の写真は、道路面の損傷している側溝を撤去した後に既製品U型側溝を布設しているところです。
U型側溝の左側に建てているものは、工事途中の型枠です。U型側溝の側壁は、そのもの単体では、あまり強度がありません。
今回は、敷地内が砕石の仕上げとなるために、万が一に車両の出入りの際の車輪の荷重によりU型側溝が破損をしてしまわないように型枠を建てたうえでコンクリートを打設してU型側溝の保護をすることとしました。

202018(2-2)
コンクリート打設後に硬化の為の養生期間を経たのちに型枠を解体しました。
U型側溝を保護するためのコンクリートは、U型側溝の底版よりも低い位置からスタートしているので250mm程の高さがあります。

20201118(2-3)
道路面から敷地を見た状態です。
上の写真の敷地内は、再生砕石を敷き均した状態です。
再生砕石だけで嵩上げの上層面まで持ち上げてしまうと見た目がイマイチなので再生砕石を敷くのは、上層の最終仕上がり面マイナス100mmまでとします。
そして上層面はC40と呼ばれる新品の砕石を敷き均したうえで締固め転圧を行います。

20201118(3-1)
再生砕石を敷き均した状態です。C40砕石を敷き均す分の高さを控えています。

20201118(3-2)
再生砕石の敷き均し転圧が完了したので、敷地の奥側からC40砕石を敷き均していきます。
色が濃く見えるものがC40砕石です。

20201118(4-1)
上層のC40砕石の色に濃淡があるのは、現地に搬入したてのものと、搬入したのちに時間が経過をして乾燥したものとの違いです。ですので、砕石の転圧不足では、ありません。
そして、奥側に見えるのが最初に紹介をした南側コンクリートブロック積みです。
工事着工前と比較してブロック1枚強の高さの盛土をしました。

20201118(4-2)
この後に清掃をして、U型側溝にグレーチング蓋をセットして完了となります。

「敷地に雨水が溜まらないように」と、頂きました御依頼につきまして、今回は、砕石にて舗床をしましたが、舗床の方法は、他にもあります。
例えばアスファルト舗装です。しかしアスファルトの場合は、工事対象の面積が少なければ、材料の面で、かなりの割高となってしまいます。
他には、コンクリートにて舗床をすることもありますが、その場合は、もし仮に将来的にコンクリート舗床が不要となり、撤去をすることになった際の解体時には、かなりの騒音や振動が発生し、また費用も少々高額となってしまいますのでコンクリートは、如何なものかなと思います。
また、コンクリートは、必ず日光を反射します。いわゆる「照り返し」です。近年の夏場は、特に高温になっておりますゆえ、その照り返しを受けた近隣の方に於かれましても心配なことが生じます。

LINEで送る